高校3年の時、彼は吹奏楽部の部長さんでした。

吹奏楽部は、放課後旧校舎の教室を全室借りて、楽器のパートごとに練習します。そして、
下校時刻には部長が全教室の戸締りをするのが決まりでした。

その日も、いつも通りに彼は教室を見回ります。

部員のみんなはすでに部室(旧校舎の隣にあるプレハブ)に戻っているようで、旧校舎には人の気配がありません。

彼は3階、2階と見回り、残すは1階の2教室のみ。

そこで、彼の足は止まりました。

彼から向かって、右側に教室があるのですが、扉は開いており、そこから黒くて丸いモノが落ちています。

もう校舎は明かりが落とされていて、光源は校舎の隣にあるプレハブ(部室)の明かりだけでしたが、よく眼をこらしてみると
それは人の頭に見えます。床に寝転んで、廊下に頭だけ出してる格好のようでした。

彼はてっきり部員の一人だと思い、

「おい、早く教室に戻れよ!」と言いながら近づいたのですが、

どうもおかしいなと思いました。


どうも、その頭の大きさが異常に大きいのです。

気のせいかと思ったのですが、普通の頭の2倍は優にありそうでした。

3mぐらい近づいて見ると、それは彼から背中を向けて横たわっています。

霊感のある彼は、「ヤバイ!」と思ったそうですが、その時はすでに遅し。

逃げようと思った彼よりも、そいつがこちらに顔を向ける(寝返り?)方が早かったのです。

彼は、「そいつと目がバッチリあった。後は部室に逃げ帰ったからわからない」と話をこう締めくくりました。



学校の怪談に出てきそうな物語ですね。でもそれにしてはリアリティーがあります、やっぱり怪談と都市伝説の違いなのでしょうか。