三本足のリカちゃん



ある女性が公衆便所を利用した時のことだ。

彼女がふと足元を見ると、そこにリカちゃん人形が転がっていた。

なんでこんなところにリカちゃん人形があるんだろう。

誰かが捨てたのだろうか・・・

人形が可哀想に思えた彼女は、何気なくそれを手にとり・・・

思わずギョッとした。

なんとそのリカちゃん人形には、足が三本も生えていたのだ。

三本目の足は脇腹の辺りから生えており、

不気味な土気色をしている。

彼女は思わず人形を床に投げ捨てた。

するとその人形は、リカちゃん電話でおなじみのあの声で彼女に向かってしゃべりだしたのだ。

「わたしリカちゃん。

でも、呪われているの、呪われてるの、呪われてるの・・・」

彼女は恐ろしくなり、その場から走って逃げ出した。

ところが、逃げても逃げても彼女の耳からは先ほどの人形の声が消えない。

まるで耳元で囁きつづけているかのように、その声は何日たっても聞こえているのだ。

これに絶えきれなかった彼女はついには発狂してしまい、

自らの鼓膜を突き破ってしまったという。



引き続き、今回もまたリカちゃん人形にまつわるお話です。

しかし、いったいなぜリカちゃんはこんな不吉な噂ばかりたてられるんでしょうね?同情を禁じ得ません。

さて、この物語が生まれた背景には「三本足のリカちゃん」が実在するという噂話の存在があります。

「茨城工場が出荷したリカちゃん人形の中に機械トラブルのため三本足になったリカちゃんが含まれていた。

メーカーは急いでこれを回収して廃棄処分にしたのだが、メーカーのチェックから漏れて市場に流通したものがいくつかあるらしい」

というのがその噂話の内容ですが、

この話を裏付ける情報は何もなく、あるいはこの話自体が都市伝説なのかもしれません。

やがてこの噂は一人歩きをはじめ、学校の怪談レベルの様々な伝説を生み出していきました。

ここにその一部をご紹介しましょう。


○ある学校のトイレには三本足のリカちゃん人形が現れる。

 この人形は「わたしリカちゃん。でも呪われてるの」と言ってくるが、

 危害は加えてこない。


○ある学校のトイレには三本足のリカちゃん人形が現れる。

 この人形は「おままごとする?それともかくれんぼする?」と聞いてくる。

 「おままごと」と答えると包丁が頭上から降ってきて血まみれになって死ぬ。

 「かくれんぼ」と答えると別の世界に連れ去られ、二度と返ってくることができない。


○ある学校のトイレには三本足のリカちゃん人形が現れる。

 その三本目の足は人肉でできており、

 「わたしリカちゃん。この足の持ち主を探しているの」と言ってくるが、危害は加えてこない。


○夜寝ていると、枕もとに三本足のリカちゃんが現れる。

 リカちゃんは手に包丁を握っている。

 この時、リカちゃんに気づかないでいれば何も起きないが、

 もし気づいてしまうとリカちゃんは襲いかかり、気づいた人の足を包丁で切り取る。