あなたは「さとるくん」のことをご存知だろうか。
さとるくんを呼び出すのは簡単だ。
まず、公衆電話に10円玉を入れて(100円やテレカではだめらしい)自分の携帯に電話をかけ、こう呪文を唱える。
「さとるくんさとるくん、おいでください」
「さとるくんさとるくん、おいでください」
「さとるくんさとるくん、いらっしゃったらお返事ください」
ここまで一語一句間違えずに正確に唱えたら公衆電話を切り、自分の携帯の電源も切る。
これで全ての準備は完了だ。
ここまでの動作を間違いなく行えていれば、24時間以内に電源を切ったはずの自分の携帯電話にさとるくんから電話がかかってくる。
さとるくんからの電話に出ると、さとるくんは「今、どこどこにいるよ」と自分のいる場所を告げてくる。
その後、電話は何度もかかってくるのだが、そのたびにさとるくんのいる場所が自分のところへ近づいてくるのだ。
そしてついに、さとるくんから最後の電話が入る。
「今、後ろにいるよ…」
この時、さとるくんは一つだけどんな質問にでも答えてくれる。
さとるくんはその質問が過去のことであろうと、未来のことであろうとなんでも正確に答えてくれるため、「さとる」くんというのだそうだ。
ただしこの時、すぐに質問が思い浮かばなかったり、後ろを振り返ったりすると、さとるくんにあの世に連れて行かれてしまうそうなのでご注意を。
さとるくんを呼び出すときは、質問をあらかじめ決めておくのが良いだろう。
「さとるくん」は近年になってから、ネット上などでにわかにその名を聞くようになった新しい霊遊びだ。
実行には携帯電話が必須なだけあって、主に高校生ぐらいの年代の子供に広まっているらしい。
さとるくんは基本的には既存の現代妖怪の寄せ集めである。
「さとるくんさとるくん、おいでください」、「さとるくんさとるくん、いらっしゃったらお返事ください」という呼びかけは同じ霊遊びである「こっくりさん」から取られたもののようだし、
電話の度に近づいてきて最後に「今、後ろにいるよ…」と語りかけてくるという部分も「リカちゃん電話」などのお馴染みの怪談から取られたもののようだ。